七曜日のこと。

三十代最後の夏。あらゆることを忘却していく日常に人知れず危惧を憶え、一週間ごとの日誌をつけることにした。できるだけとりとめのない事柄を書き留めてみる。

第六週。「希福」はどうだろう。

八月二十日月曜日。 お盆休みが明けて街は平時に戻り、サンマルクカフェで新聞広告の原稿をまとめる。今日はひさしぶりに長く寝られたので、頭が爽快で仕事も捗った。 東武百貨店のミニマルで、チョコレートアイスとベイクドチョコレートを買う。明日COFFEE&…

第五週。アメリカにNOと言える唯一の国。

八月一三日月曜日。 フリーランスは、仕事が途切れると必然的に休日になる。今週はお盆休暇でクライアントの休みが多いので、自分も休みに近い。 午後、雷が近くで轟き、カーテンを引いたように一気に空が暗くなる。雨の夕刻の静かな時間が訪れる。 映画『あ…

第四週。たった四文字の、強い愛の言葉。

八月六日月曜日。 原爆の日がきた。広島の平和資料館に行って映像制作をしたのが四年前。オバマ大統領が訪問したのが二年前だ。あのときの映像をを久々に見返してみる。 www.youtube.com 昼すぎ、天王洲アイルで打ち合わせ。汗を流しながら打ち合わせに臨む…

第三週。お母さんが二人いる。

七月三十日月曜日。 誰もがとうに気づいているだろうけれど、街中でキャミソールを着ている女性をもう見かけない。知らぬ間に流行は過ぎ去っていた。かわりに肩出し(オフ・ショルダー)が多い。 eight days cafeは天井が高く、全面ガラスで心地いい。席が広…

第二週。時は偉大な作家だ。つねに完璧な結末を書く。

七月二三日月曜日。 五年ぶりの記録更新だった。気の滅入るような気温の話だ。アスファルトは火にかけたフライパンのようで、卵を落とせば機嫌よく焼けそうである。歩けば知らぬ間に伝う珠の汗。一秒ごとに灼けていく頬。空気が動かず、息を吸えば熱波の舌触…

第一週。気狂いピエロ、二百人搬送、制作会社倒産。

七月一六日月曜日。 弟が勤め人を辞し、補習塾の運営を始めたのは先月のことだ。弟夫婦が甥を伴って遊びに来たので具合を尋ねたかったが、二歳の甥は縦横無尽に動き回り片時も目が離せず、ゆっくり話をすることもままならない。甥は新幹線の玩具をテーブル上…